*** Diary (January) ***

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2002/1/26
SUN
午後3時 奈良県の高校にて
 奈良県のある中学でパンフレットを配る。春期講習の案内である。今日は合格発表の日だという。私は、ここに七年前、ことわざの問題が分からずに五点足らずで落ちている。もともと合格していても通えない距離だったから、別にいいといえばいいのだが。そういうわけで、今日の仕事は、私にとってはある意味でリベンジのような気がしていた。合格発表は午後三時。発表より前なら受け取ってもらえる。我々は二時頃に行ったつもりだったが、ビラを配るのは、我々だけではないわけであり、もうすでに他の塾が来ていた。学校の入り口の前の小さな坂に横一列になって並ぶ。駅から学校までは遠いので、たいていバスで来る。そしてバスから降りて学校へと向かう生徒や保護者に渡すのである。隣の塾は、みんな女の子であった。私立文系かな。雰囲気からそのように思われた。私は彼女の近くにいたのだが、コツをつかんでしまった。彼女のビラを受け取るときに体が開くから、そのときにも渡すのである。そして、彼女のビラを受け取らない人には渡さない。これはうまくいった。ビラもだいぶ配れたかと思った頃、急に逆方向からどっと人が来た。「どうなったんですか。」と私が上司に聞くと、「思ったよりも早く発表があったみたいだ。」という答えが返ってきた。合格した子は袋を持っているが、すぐに帰ってくる子はたいてい不合格の子である。そして、その中で坂を下りながらぼんやりと空を見上げる母親の姿があった。それを見た私は、しばらくビラを配ることが出来なかった。



 

2002/1/23
FRI
午後6時 五条の駅にて
 午後六時からのサークルへ行こうと、駅で電車に乗ろうとしたら、定期がない。かばんを見たが、ない。家においてきたかと思い、戻る。しかし、あるべき場所にない。もしや忘れてきたか。昼飯を食べた場所やツタヤに電話したが、ないの返事。落としたか。被害総額はいくらになるか考えた。定期三か月分とクオカードの残り1500円分とインターネットカフェの会員証か。もったいないことをした。ないとは思うが、ついさっき公共料金を払ったコンビニで忘れたかと思って、訪ねたがやはりない。あきらめて切符を買って、電車に乗ろうと改札を通ろうとしたときにふっと駅員を見たら、私の定期を持って電話しているではないか。本当に助かった。「道に落ちていたそうです。拾ってくれた人はこの人です。一応電話をして置いてくださいね。」と駅員は言った。拾得者の欄には住所と名前の入った判子が押されていた。名前の雰囲気から推測して、おじいさんのようである。いやいや、本当に助かった。明日電話をしよう。



 

2002/1/18
SAT
午後2時 大学の食堂にて
 今日はセンター試験の日である。友人からフランス語の資料をもらうため、大学へ行く。昼食に竜田丼を食べる。恐らく試験時間中だろうと思っていたが、食堂には受験生がかなりいた。最後の確認をしている真剣な受験生もいたが、菓子をばりぼり食べる女子高生軍団もいた。私と友人は、彼女らの話が聞こえるよう近くに座った。彼女らは、少し向こうに座っているカップルの批判をしていた。友人は笑っていた。食堂を出たあとは、パソコン室の近くで珈琲を飲む。いつも通る道も、今日は、制服の子がいっぱいで、いつもの雰囲気とは違い、新鮮であった。月に一度はこういうのもいいのではないかと友人は言う。受験生と間違えられて、下宿の案内をもらう。一年はすぐだったな。もうすぐ友人たちも来るだろう。



 
 

写真について
背景は、木屋町三条の高瀬川の近くで撮りました。
トップに飾ったのは、五条大橋に並んでいた鳥を撮りました。